- 基本的な考え方
- コーポレート・ガバナンス体制
- ガバナンス体制早見表
- ガバナンス強化のための取り組みの変遷
- 監査等委員会設置会社
- 取締役会
- 監査等委員会
- 指名・報酬委員会
- 取締役の専門性・経験と期待する役割(スキルマトリックス)
- 役員一覧
- 経営会議・審査会議
- 監査体制
- 社外取締役の体制
- 社外取締役のトレーニング
- 取締役会の実効性評価
- 役員報酬
- 政策保有株式
- 内部統制
基本的な考え方
当社は、「『愛』『敬』の精神に基づき、人を尊重し、社会の発展に貢献する」を経営理念としています。この経営理念のもと、株主、取引先、社員に加え、企業活動を支えるすべてのステークホルダーの負託に応え、持続的に企業価値を向上させるためには、経営の透明性・公正性を確保し、迅速・果断な意思決定を行う基盤となる強固なコーポレート・ガバナンス体制の整備・構築が不可欠と考えています。
コーポレート・ガバナンス体制(2024年6月21日現在)
ガバナンス体制早見表(2024年6月21日現在)
機関設計 | 監査等委員会設置会社 |
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監査等委員でない取締役 監査等委員である取締役 |
7名(うち独立社外取締役3名) 5名(うち独立社外取締役4名) |
取締役会議長 | 社長 |
監査等委員でない取締役任期 監査等委員である取締役任期 |
1年 2年 |
執行役員制度採用 | 有 |
取締役会の任意諮問委員会 | 指名・報酬委員会設置 |
会計監査人 | 有限責任 あずさ監査法人 |
コーポレート・ ガバナンス報告書 |
コーポレート・ガバナンス報告書 当社は、コーポレートガバナンス・コードの各原則の全てを実施しております。 |
ガバナンス強化のための取り組みの変遷
時期
2003年6月 | 執行役員制度の導入 |
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2006年6月 | 取締役の任期を2年から1年に短縮 |
2013年6月 | 社外取締役2名体制に |
2015年6月 | 社外取締役3名体制に |
2015年11月 | 指名・報酬委員会の設置 取締役会評価の導入 |
2022年6月 | 監査等委員会設置会社へ移行 社外取締役が過半数を占める体制に |
監査等委員会設置会社
当社は、コーポレート・ガバナンスの充実・強化を重要な経営課題として位置づけ、これまで取締役会での議論を、業務執行中心から経営戦略や中長期的な課題にシフトするなど取締役会の実効性を高める改善を実施し、ガバナンスの充実・強化に取り組んできました。それらの取り組みをさらに進め、監督機能の一層の強化を図るとともに、経営の意思決定をより迅速化する体制を整えるため、2022年6月に監査等委員会設置会社へ移行しました。取締役会において、独立社外取締役が過半数を占める構成とし、モニタリング型の取締役会を具現化することにより、企業価値の向上を図っております。
取締役会
取締役会は、経営計画の策定及び年度予算の編成をはじめとする経営の基本方針、執行役員の選任など、法令、定款及び取締役会規程で定められた重要事項の意思決定を行います。監査等委員でない取締役7名、監査等委員である取締役5名の12名で構成されており、うち独立社外取締役は過半数となる7名です。2022年6月に監査等委員会設置会社へ移行したことで、監督機能を強化したモニタリング型の取締役会を実現するとともに、業務執行者への重要な業務執行の決定の委任が可能となり、より迅速な経営判断ができる体制を整えています。
監査等委員会
当社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員会は監査等委員5名(社外取締役4名)で構成されています。監査等委員会は、取締役会と協働して業務執行者に対する監督機能を担い、かつ、業務執行者の業務の執行について監査を行います。監査等委員である取締役は、財務・会計・法律などに関する専門性や高い独立性などを備えています。
また、内部監査室に所属する者が補助使用人として、監査等委員会の職務を支援しています。
指名・報酬委員会
当社は、任意の指名・報酬委員会を設置しています。取締役会が経営陣幹部の選解任、取締役・執行役員候補の指名、取締役の報酬などを決議するにあたっては、筆頭独立社外取締役が委員長を務め、また独立社外取締役が委員の過半数を占める指名・報酬委員会の審議を経ています。取締役会は指名・報酬委員会の審議結果を十分尊重することにより、客観性、公正性、透明性を確保するよう努めています。
指名・報酬委員会の構成員:社外取締役4名(うち、監査等委員である社外取締役1名)、社内取締役1名
委員長:筆頭独立社外取締役
実施回数:2024年3月期 12回
取締役の専門性・経験と期待する役割(スキルマトリックス)
スキルマトリックスについての当社の考え方
当社は「『愛』『敬』の精神に基づき、人を尊重し、社会の発展に貢献する」を経営理念とし、「時代とともに変化する顧客と社会のニーズに応え、グローバルに事業を展開することにより、価値ある存在として常に進化を続ける」を目指す姿としています。また2030年頃を念頭に、将来像を想定した長期ビジョン「IK Vision 2030」を掲げ、その長期ビジョンに向けたステップとして新中期経営計画「NC2026」を位置づけています。取締役に期待するスキルを特定するにあたっては、これら経営理念、目指す姿、長期ビジョン「IK Vision 2030」、新中期経営計画「NC2026」を踏まえ、グローバルに展開する当社の取締役会の意思決定や業務執行に関する監督機能を果たすことができる体制を構築するためには、いかなるスキルが必要かという観点から決定しています。こうした観点から、具体的には以下のようなスキルを特定し、スキルマトリックスを策定しています。
経営会議・審査会議
業務執行機関として、経営会議を設置し、会社の経営に関する基本方針並びに経営上の重要事項について審議し、その方向性を決定しています。加えて、重要な業務執行や投融資案件・与信案件に関する審査機関として、審査会議を設けています。審査会議では、関係者は国内外から参加(オンラインを含む)し、経営者と直接議論をします。
実施回数:2024年3月期 経営会議 13回、審査会議 18回
監査体制
内部監査
当社は社長直轄の内部監査室を設置しており、公認内部監査人等の資格を有する専門人材を配置しています。内部監査室は金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制報告制度への対応、当社の国内・海外グループ会社のグループガバナンス向上のための監査、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」や経済安全保障関連法令の遵守状況の監査等を実施しています。内部監査室は、監査計画及び監査結果について、定期的に社長、取締役会、監査等委員会へ報告しています。
会計監査人
当社は会計監査や四半期レビュー及び内部統制監査に関し、有限責任 あずさ監査法人に監査を依頼しています。なお、会計監査人の再任・不再任の決定にあたっては、独立性、専門性評価を含めた評価基準を策定しており、その評価結果に基づき決定しています。
監査等委員会、会計監査人、内部監査室の連携
監査等委員会、会計監査人、内部監査室は定期的に監査の結果報告及び協議を通じて連携をとっています。
監査等委員会は、会社の業務及び財産の状況の調査その他の監査職務の執行に当たり、内部監査室と緊密な連携を保ち、組織的かつ効率的な監査の実施に努めています。監査等委員会は、内部監査室から監査計画と監査結果について定期的に報告を受け、必要に応じ調査を求め、又はその職務の執行について具体的に指示します。監査等委員会及び内部監査室は、会計監査人と会計監査や四半期レビューの報告等の定期的な会合を持ち、会計監査人から監査に関する報告を適時かつ随時に受領する一方、その職務の執行の過程において知り得た情報の内、会計監査人の監査の参考となる情報又は会計監査人の監査に影響を及ぼすと認められる事項について会計監査人に情報を提供するなど会計監査人との情報の共有、連携を行っています。
社外取締役の体制
社外取締役の選任にあたっては、企業経営に関する豊富な経験や幅広い見識を保有し、グローバルにビジネスを展開する当社における取締役会の意思決定や業務執行に関する監督機能、外部的視点からの適切な助言を期待できる候補者を選定するよう努めています。社外取締役の比率は58%(取締役12名のうち、7名)です。
社外取締役のみの会合
実施回数:2024年3月期 2回
2024年3月期 出席状況
こちらの表は横にスクロールしてご覧いただけます。
(2024年6月21日現在)
氏名 | 独立性 | 在任 年数 |
取締役会 | 指名・ 報酬委員会 |
選任理由 |
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監査等委員でない取締役 | |||||
萩原 貴子 (筆頭独立社外取締役、指名・報酬委員会委員長) |
● | 3年 | 100% 17回/17回 |
100% 12回/12回 |
ソニー光株式会社・ソニー希望株式会社(現 ソニー希望・光株式会社)の代表取締役を務められ、現在は株式会社DDD 代表取締役、株式会社ツインバード及び NEC キャピタルソリューション株式会社の社外取締役です。AV 機器やゲーム、映画、音楽等、複数の事業をグローバルに展開する大手電機メーカーにおいて人事部門の責任者を長く務め、また経営者としての経験をされていることから、当社における人事戦略やダイバーシティの推進等についての助言を期待して選任しました。 |
長南 収 (指名・報酬委員) |
● | 1年 | 100% 14回/14回 |
100% 10回/10回 |
キユーピー株式会社の代表取締役社長執行役員を務められ、現在は公益財団法人キユーピーみらいたまご財団の理事長及び株式会社ロッテの社外取締役です。中国、東南アジアを中心にグローバルに展開する食料品メーカーにおいて営業部門の責任者を長く務めました。経営者としての経験も有しており、幅広い見識と経験を備えていることから、社外取締役に選任しました。経営者としての豊富な経験と幅広い見識を基に、外部的視点から当社の業務執行に対する監督、助言をいただくことを期待しています。 |
末川 久幸 (指名・報酬委員) |
● | 新任 | - | - | 株式会社資生堂の取締役執行役員常務経営企画部長、代表取締役執行役員社長を務められ、現在は森下仁丹株式会社の社外取締役、日本管財ホールディングス株式会社の顧問及び学校法人昭和女子大学の理事です。化粧品事業を中心として約120の国と地域でグローバルに展開するメーカーにおける経営者としての経験を有しており、幅広い見識と経験を備えていることから、社外取締役に選任しました。経営者としての豊富な経験と幅広い見識をもとに、外部的視点から当社の業務執行に対する監督、助言を頂くことを期待しています。 |
監査等委員である取締役 | |||||
佐成 実 | ● | 2年 | 100% 17回/17回 |
- | 東京ガス株式会社の総務部法務室長、執行役員(ガバナンス担当)及び参与を務められ、現在は早川総合法律事務所のスペシャル・カウンセルです。都市ガス最大手企業において、弁護士としての専門的知見と長年にわたり企業法務及びコーポレート・ガバナンスに携わってきた豊富な経験を備えられていることから、経営全般に対する的確な監査・監督を期待して選任しました。 |
藤澤 友一 | ● | 2年 | 100% 17回/17回 |
- | アステラス製薬株式会社の常勤監査役、監査等委員である取締役を務められました。世界各国で医薬品ビジネスを展開するグローバル製薬企業において、事業部門の企画部長として務めた他、海外子会社や監査業務の業務経験を有し、監査等委員である取締役を務めるなど、高い見識と豊富な経験を備えられていることから、経営全般に対する的確な監査・監督を期待して選任しました。 |
横田 乃里也 (監査当委員会委員長、指名・報酬委員) |
● | 1年 | 100% 14回/14回 |
- | キリンホールディングス株式会社取締役常務執行役員、キリンビジネスシステム株式会社取締役、麒麟麦酒株式会社取締役を務められ、現在はニュートン・インベストメント・パートナーズ株式会社* のシニア・アドバイザーです。世界各国で酒類、飲料品、医薬品等の製造販売を行うメーカーにおいて、工場長や生産部門の責任者を歴任し、また同社の海外子会社の経営者を経た後は、執行役員として、人事・財務・IT・経営戦略を担当するなど、高い見識と豊富な経験を備えています。このことから、当社の経営全般に対する的確な監査・監督を期待して選任しました。 |
伊藤 志保 | ● | 新任 | - | - | 新日本監査法人(現 EY新日本有限責任監査法人)のパートナーを務められ、現在は株式会社ジャパンディスプレイの社外取締役、伊藤志保公認会計士事務所の公認会計士及び野村不動産プライベート投資法人の監督役員です。公認会計士の資格を有して国内大手監査法人のパートナーを務めてきたほか、グローバルに事業展開する大手液晶パネルメーカーの社外取締役を務めるなど、会計の専門家としての知識に加えて、幅広い見識を備えています。このことから、当社の経営全般に対する的確な監査・監督を期待して選任しました。 |
- *ニュートン・インベストメント・パートナーズ株式会社は、2024年7月1日より、社名がジャパン・アクティベーション・キャピタル株式会社へ変更となります。
社外取締役のトレーニング
当社グループの事業内容等について理解を深めてもらうため、社内の各部門長との面談や海外視察等の機会を提供しています。就任後も、必要な知識の習得、その役割や責務の理解促進に資するようトレーニングの機会の提供・斡旋をしています。取締役のトレーニングの実施状況は、年1回、取締役会で報告されています。
取締役会の実効性評価
当社では、取締役会の実効性と透明性を高め、企業価値を向上させることを目的として、2015年度より取締役会の実効性評価を実施しています。
- 3年を1サイクルとし、自己評価を2年実施後、3年目に第三者評価を実施しています。
- 評価結果の概要と課題は、当社WEBサイトで開示しています。
- 2023年度は、第三者評価を実施しました。
2023年度の評価結果
対象者 | 2024年3月末日時点で現任の全取締役 (監査等委員でない取締役7名、監査等委員である取締役5名) |
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評価方法 |
|
分析・評価結果の概要 | 第三者機関による分析・評価の結果、当社の現状に関する対象者の全取締役における認識や考えについて、以下の点が確認されました。 ① 事業の現状・事業ポートフォリオに対する評価について 合成樹脂、情報電子事業は、2大セグメントとして今後も基盤事業であり続けることが期待されています。但し、事業環境の変化を踏まえ持続的な成長に向けた対外的な説明が必要であること、またこれら事業から新たな取引先や商材が派生することが期待されています。 第3の柱となりうる2大セグメント以外の事業については、M&Aなどにより着実に育成がなされていることが評価されています。新規事業については取締役会での適切なモニタリングのため、成長領域の可視化や目標設定の明確化が必要と考えられています。 当社の主要なリスクについては、海外活動に潜在するリスク、取引先の信用リスク、事業投資に係るリスクが重要度の高いリスクとして認識されています。リスク許容度は適切であり、会社の規模や財務体質に見合ったリスクを許容していると考えられています。 ② 取締役会の状況について 監査等委員会設置会社への移行により、当社の取締役会の実効性は向上したと考えられています。議長をはじめとする構成メンバーが適切に役割・機能を発揮し、執行のモニタリング・監督の機能を果たしていると高く評価されています。 取締役会は、引き続きオープンで活発な議論がなされています。前年度の評価で課題として認識された中長期的な経営課題については、新中期経営計画策定の過程において取締役会外で全取締役参加による議論の場が設けられるなど、理解・議論が進んだと評価されています。 大きな経営課題として人材の問題が認識されています。多様な人材の活躍推進を目指し人材戦略に関する議論を取締役会で行っていく必要があると考えられています。サステナビリティの課題については、社内取締役は委員として、社外取締役はオブザーバーとしてサステナビリティ委員会に参加してサステナビリティ課題について定期的に議論しており、不足感はないと認識されています。一方、社内の多様性推進、社長・社外取締役のサクセッションプランなどでは、さらに議論を深めることが必要と考えられています。 ③ 指名・報酬委員会の状況について 指名・報酬委員会は、明確な役割の定義のもと、適切なメンバー構成で十分な議論がなされていると高く評価されています。社外取締役の選任プロセスや、役員報酬の現状も適切であると高く評価されています。 一方、指名・報酬委員会から取締役会への情報提供については、諮問内容と論点の共有が十分でないとの指摘もあります。 ④ 監査等委員会の状況について 監査等委員会は、明確な役割の定義のもと、適切なメンバー構成で十分な議論がなされていると高く評価されています。引き続き、内部監査体制の効率的な強化、組織監査の体制整備が必要と考えられています。 ⑤ 社外取締役の支援体制、社外取締役間のコミュニケ―ション 社外取締役に対する支援体制は十分であると考えられています。また前年度の評価で課題として認識された社外取締役間のコミュニケ―ションについては、改善が確認されました。 ⑥ 投資家・株主との関係 投資家・株主との関係については、IR活動を熱心に行っていること、また投資家との対話の状況が取締役会へ十分情報共有されていることから高く評価されています。但し、自社の成長戦略や競争優位性(強み)は、資本市場において評価されるよう、さらに発信することが必要と考えられています。 |
今後の対応 | 上記分析・評価結果により認識された課題に対して、今後、以下の通り取り組むことで、さらに当社取締役会の実効性を高めるよう努めてまいります。
|
取締役会評価の質問票の大項目
- 1. 取締役会の運営状況
- 2. 取締役会の機能・役割
- 3. 取締役会の構成
- 4. 指名・報酬委員会の構成と役割
- 5. 指名・報酬委員会の運営状況
- 6. 監査等委員会の構成と役割
- 7. 監査等委員会の運営状況
- 8. 社外取締役に対する支援体制
- 9. 投資家・株主との関係
インタビューの主要項目
- 1. 事業の現状・事業ポートフォリオに対する評価
- 2. 経営の課題
(1)人材の課題
(2)サステナビリティと事業の関連 - 3. 取締役会の役割の発揮
- 4. 中長期戦略の議論
(1)取締役会における議論の状況
(2)稲畑産業の強み・ビジネスモデル
(3)今後の取締役会における議論
(4)人材戦略 - 5. 社外取締役の構成
- 6. 社外取締役同士のコミュニケーション
- 7. 指名・報酬委員会と取締役会の情報共有
- 8. 社長のサクセッションプラン
- 9. 監査等委員会の構成・体制
- 10. 投資家・株主との関係
役員報酬
当社の報酬等の概要は、以下の通りです。
1. 監査等委員でない取締役の報酬
こちらの表は横にスクロールしてご覧いただけます。
①固定報酬*1 | 役職別に最低保証額を設定 |
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②業績連動報酬 | ①の役職別固定報酬をベースに、
|
③株式給付信託(BBT)*5 | 「株式給付信託(BBT)」は取締役が在任中に付与されたポイントを退任時に株式と金銭で受け取る仕組みです。取締役に付与されるポイントの計算方法は次のとおりです。 (取締役に付与されるポイントの計算方法) 当年度の付与ポイント=Ⓐ勤続ポイント+Ⓑ業績ポイント Ⓐ 役職ごとに定めた基準ポイントの50%(固定) Ⓑ 勤続ポイント×業績係数 業績係数 :連結売上高目標達成率と連結営業利益目標達成率により決定される係数 目標達成率:対外的に公表した中期経営計画に対する実績 |
- *1:業務執行取締役でない取締役の報酬については、固定報酬のみとしています。
- *2:業務執行取締役は、グループ会社を含めた当社グループ全体の営業活動、財務活動など全ての事業活動に責任を負っており、その成果は連結税金等調整前当期純利益に表れていると考え、1つの指標としています。
- *3:当社は中期経営計画NC2023における主要重点施策の1つとして、「将来の成長に向けた投資の積極化」を掲げていること、また資本市場からの要請や上場企業の動向を踏まえ、資本効率や投資利回りについても考慮すべきと考え、ROICを指標にしています。更に資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応の一環として、ROEと株価(具体的にはTOPIXの対前年成長率と当社株価の対前年成長率の差)を指標としています。
- *4:サステナビリティへの対応は当社の重要な経営課題と認識していることから、複数の外部評価機関によるESGスコアを指標としています。
- *5:当社は、業務執行取締役の報酬と当社の業績及び株式価値との連動性をより明確にし、取締役が株価上昇によるメリットのみならず、株価下落リスクまでも株主の皆様と共有することで、中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢献する意識を高めることを目的とし、業績連動型株式報酬制度として「株式給付信託(BBT)」を導入しています。
監査等委員でない取締役の報酬のうち、①固定報酬及び②業績連動報酬は株主総会で承認された報酬総額の範囲内において、取締役会が決定しています。株主総会の決議による監査等委員でない取締役の報酬限度額は年額430百万円(うち、社外取締役分は50百万円)です。
また、業務執行取締役に対する業績連動型株式報酬制度として③株式給付信託(BBT)の報酬枠を決議しています。
監査等委員でない取締役の個人別の報酬は、定性的な要因は考慮されておらず、取締役会において決議された規定により定められた計算式及び係数により自動的に算出されるよう設計されており、人事室が規定に沿ってこれを計算いたします。その計算結果は筆頭独立社外取締役が委員長を務め、かつ独立社外取締役が過半数を占める指名・報酬委員会により審議されます。取締役会は指名・報酬委員会の審議結果を十分尊重し、監査等委員でない取締役の報酬を決定しています。
このような手順を踏まえることで、監査等委員でない取締役の個人別の報酬決定における客観性、公正性、透明性を確保しており、特定の取締役等に個人別の報酬等の決定が委任されるようなことはありません。
2. 監査等委員である取締役の報酬
固定報酬 | 固定報酬のみ |
---|
監査等委員である取締役の報酬は、株主総会で承認された報酬総額の範囲内において監査等委員である取締役の協議で決定しております。株主総会の決議による監査等委員である取締役の報酬限度額は年額80百万円です。
2024/3期 役員報酬の実績*6
役員区分 | 報酬等の総額(百万円) | 報酬等の種類別の総額(百万円) | 対象となる役員の員数(人) | ||
---|---|---|---|---|---|
固定報酬 | 業績連動報酬 | 株式給付信託(BBT) | |||
取締役(監査等委員及び社外取締役を除く。)*7*9*10*11 | 306 | 134 | 116 | 56 | 6 |
取締役(監査等委員)(社外取締役を除く。)*8 | - | - | - | - | - |
社外役員 | 69 | 69 | - | - | 8 |
- *6:2023年6月21日開催の第162回定時株主総会終結のときをもって退任した取締役1名及び社外取締役1名を含んでおります。
- *7:取締役(監査等委員を除く。)の報酬の額は、2022年6月22日開催の第161回定時株主総会において年額430百万円以内(うち、社外取締役分は50百万円)と決議しております。当該株主総会終結時点の取締役(監査等委員を除く。)の員数は、7名(うち、社外取締役は2名)であります。また、第161回定時株主総会において、監査等委員会設置会社への移行に伴い、2018年6月22日開催の第157回定時株主総会において導入を決議した「株式給付信託(BBT)」に係る報酬枠を改めて決議しております。当該株主総会終結時点における当該制度の対象となる取締役の員数は、4名であります。
- *8:取締役(監査等委員)の報酬の額は、2022年6月22日開催の第161回定時株主総会において年額80百万円以内と決議しております。当該株主総会終結時点の取締役(監査等委員)の員数は4名(全員社外取締役)であります。
- *9:「株式給付信託(BBT)」は、当事業年度に計上した役員株式給付引当金繰入額であります。
- *10:当社では取締役(監査等委員及び社外取締役を除く。)の業績連動報酬と業績連動報酬以外の報酬等は、それぞれ定める業績指標及び算定式に基づいて自動的に決定されるものであり、恣意的に何れかの報酬を増減させるといった扱いを行う余地はないことから、その支給割合の決定に関する方針を定めておりません。
- *11:当事業年度においては2023年5月23日に開催された指名・報酬委員会で取締役の報酬について審議され、2023年6月21日に開催された取締役会で取締役の報酬が決定されました。取締役会は、当事業年度に係る取締役の個人別の報酬等について、報酬等の内容の決定方法及び決定された報酬等の内容が取締役会で決議された決定方針と整合していることを確認しており、当該決定方針に沿うものであると判断しております。
政策保有株式
基本的な考え方
さまざまな企業との間の緊密な取引・協業関係は当社の事業にとって貴重な財産であり、これを構築・維持・発展することが、中長期的に当社の企業価値を高め、株主・投資家の利益につながるものと考えています。また、そのような企業の株式を政策的に保有することは、依然として良好な協業関係の構築・維持・発展のために有効な手段の1つと考えていることから、政策保有株式を保有しています。
保有・縮減に関する方針
政策保有株式は、これを保有することが協業関係の構築に資するかどうか、中長期的に当社の企業価値を高め、株主・投資家の利益につながるかどうかという基準に基づき、その是非を判断します。具体的には、毎年、取締役会において、個別銘柄ごとに投資先企業の財務状況、株式の流動性、同企業もしくは同企業グループ会社との事業に関する取引量及び利益の推移並びにこれらの中長期的な見通し、リスクとリターンが資本コストに見合っているかどうかなどの経済合理性、及びその他の定性的な情報を加味したうえで、総合的に保有の適否を検証します。保有の意義が認められない株式については、市場や事業への影響、タイミングなどに配慮しつつ、縮減していく方針です。
なお、当社は、2024年3月期を最終年度とする中期経営計画「NC2023」の3年間で政策保有株式の残高を2021年3月末残高に対して50%削減する目標を掲げ、これを上回る削減を達成しました。さらに2027年3月期を最終年度とする新中期経営計画「NC2026」における財務戦略として「政策保有株式削減による資産効率化と投資資金の創出」を掲げ、2027年3月末までの縮減方針を着実に実施していきます。
政策保有株式の縮減方針
中長期的に政策保有株式の縮減を更に進め、2027年3月末までに2021年3月末残高に対して概ね80%削減する。
議決権行使の基準
当社は、株主としての権利を行使すべく、原則としてすべての議案に対して議決権を行使します。保有先企業の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を期待できるか否かを判断基準として、議案ごとにその賛否を検討し議決権を行使します。
内部統制
稲畑産業では、コンプライアンスの遵守および業務の適正確保を目的として、内部統制システムを整備・運用しています。会社法および会社法施行規則に基づき、「内部統制システムの体制整備の基本方針」を定め、方針に基づいた運用を行っています。また、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制については、「財務報告に係る内部統制基本規程」を制定し、基本方針や体制、役割と責任、その他評価のルール等を定めています。財務報告に係る内部統制の有効性の評価結果については、「内部統制報告書」を作成し、会計監査人による内部統制監査を受けた上で、有価証券報告書と併せて提出しています。
体制については、内部統制やコンプライアンスに関する責任者を委員長とする「内部統制委員会」「コンプライアンス委員会」を設置するほか、リスク管理室・業務推進室などの責任部署を整備しています。これらの会議体および部署が連携して、子会社を含めたグループ全体で実効性のある運用に努めています。
また、グループの健全かつ適切な業務運営を確保するために、監査等委員会による業務監査・会計監査人による会計監査とは別に、事業部門等の執行組織から独立した組織である内部監査室による内部監査(業務監査)を行っています。子会社を含めた内部監査を実施することで、グループガバナンスの強化を図っています。