代表取締役社長 稲畑 勝太郎

株主・投資家の
皆さまへ

 株主・投資家の皆様には、平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

 当社グループは、2030年頃のありたい姿である長期ビジョン『IK Vision 2030』に向けた第3ステージとして、2024年4月より、3カ年の中期経営計画『New Challenge 2026(NC2026)』を推進しています。2025年3月期はその初年度となりました。

 定量面では、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益とも、NC2026初年度の計画を達成しました。
 定性面では、主力の情報電子事業、合成樹脂事業が好調に推移しました。情報電子事業はフラットパネルディスプレイ(FPD)関連を中心に、合成樹脂事業はOA関連を中心に好調でした。ただ、NC2026で注力している自動車向け樹脂や再生可能エネルギー関連ビジネスは、事業環境の悪化により、やや進捗が遅れています。

NC2026のメインテーマである「投資の積極化による成長の加速」については、コンパウンド事業の機能強化と合成樹脂事業の収益拡大を狙いとして、株式会社ダイセルとの合弁会社ノバセル株式会社を設立しました。また、食品の加工・販売機能強化を狙いとして、茶の栽培・製造・販売を主業とする株式会社佐藤園を子会社化するなど、成長の加速に向けた取り組みが順調に進みました。

NC2026の2年目である2026年3月期の業績につきましては、足元の経済環境や事業の状況を考慮し、売上高8,700億円、営業利益255億円、経常利益255億円、親会社株主に帰属する当期純利益195億円を計画しております。

 世界経済は、米関税措置の影響などによる景気減速が懸念され、それらに伴う物価上昇の継続や金融資本市場の変動、また、ロシア・ウクライナや中東地域を巡る情勢の変動など、非常に不透明な状況です。
 しかし、このような状況でこそ、当社グループの商社機能を基本としたビジネスモデルの強みを発揮し、経済環境や社会の変化に適切かつ迅速に対応しながら、NC2026の目標達成に向けて、グループ全社で各種の戦略に取り組んでまいります。

 株主の皆様におかれましては、引き続き変わらぬご支援を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

2025年7月
代表取締役社長
代表取締役社長 稲畑 勝太郎

ご参考

中期経営計画「NC2026」の概要

定量目標

2027年3月期
売上高 9,500億円
営業利益 270億円
経常利益 260億円
親会社株主に帰属する当期純利益 190億円
ROE 10%以上
ネットD/Eレシオ 0.5倍以下
自己資本比率 概ね50%前後

※想定為替レート:145.00円/USD

全社成長戦略

長期ビジョン 戦略
連結売上高1兆円以上 手段:投資の積極化による収益拡大
事業領域:環境関連ビジネス、食品等生活産業ビジネスの拡大
複合機能の高度化 複合機能(特に製造・物流)強化による差別化・収益性向上
事業ポートフォリオ 主要セグメント(合成樹脂・情報電子)の深耕
主要セグメントに並ぶ収益の柱の確立
海外比率70%以上 成長エリア(従来のアジア拠点に加え、特にインド、メキシコなど米州)の深耕
未開拓エリア(東欧等)への進出

経営基盤戦略

経営基盤 戦略
財務 資本効率のさらなる向上と累進配当を始めとする株主還元の重視
「資本コストや株価を意識した経営」の実践
(PBR1倍を常態的に超える株価水準の早期達成)
サステナビリティ 全社推進の土台となるサステナビリティマネジメントの整備:
マテリアリティに沿った戦略とKPI・目標の設定およびモニタリング
デジタル戦略 経営情報インフラの高度化とグループ全体のセキュリティ強化

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