2023年8月21日更新

プロファイル

稲畑産業株式会社は、情報電子事業と合成樹脂事業を柱とし、化学品、生活産業の4つの事業分野を手がける商社。世界19カ国約60拠点において事業を展開している。高度な専門知識を生かし、企画提案、ロジスティックス、製造・加工機能などを駆使して、グローバルに対応できる商社として、多様な顧客ニーズに応えている。
アジアを中心に製造加工拠点を持ち、顧客と密接にかかわることで、新商品の開発情報やマーケットのトレンドを早く掴むことが可能となり、商社ビジネス(trading)の拡大につなげる戦略を取っている。

2023年3月期セグメント別売上高・営業利益
(2023年3月期)
株価推移(2021年7月1日-2023年8月18日)

株式情報

(2023年8月21日)
株価
¥3,125-
発行済み株式数
55,914,127-
時価総額(百万円)
¥174,731-
ROE(23/3期)
11.0%-
Net D/E ratio
(23/3期)
0.16倍-

投資ハイライト

23/3期は売上高、営業利益ともに過去最高を更新

23/3期は売上高7,356億円、営業利益203億円、経常利益191億円、親会社株主に帰属する当期純利益194億円となった。主力事業の合成樹脂事業を中心に原材料の販売価格の上昇や円安が寄与し、売上・営業利益ともに過去最高を更新。

業績

中期経営計画 重点施策について

3カ年の中期経営計画 「New Challenge 2023」(NC2023)では将来の成長に向けた投資を積極化。23/3期は電池を含む再生可能エネルギー分野や食品の川下分野などへの投資を実施。

PBR1倍超を常態化させる施策について

「NC2023」の主要重点施策に沿った取り組み強化により事業価値を高め、成長期待を醸成するとともに、ROE10%以上の維持と資本コストの抑制・低減に向けた取り組みを並行することでPBR1倍を常態的に超える株価水準の達成を目指す。

「NC2023」主要重点施策 実施中の具体的な取り組み
1. 主力ビジネスのさらなる深掘りと成長分野への横展開
  • 自動車分野(特にEV車)向けの注力
  • 丸石化学品の子会社化
2. 将来の成長が見込める市場への多面的な取り組みと確実な収益化
  • バイオマス発電事業への参画(福山市、境港市)
  • 環境負荷低減商材の拡販
  • 半導体関連企業への出資
3. 将来の成長に向けた投資の積極化
  • 大五通商の子会社化
  • 米国におけるリチウムイオン電池関連材料新会社設立
  • 事業企画室の機能強化
4. 保有資産の継続的見直しと資金・資産のさらなる効率化
  • 政策保有株式売却による成長投資資金の確保
  • 普通社債の発行
5. 人的資本活用に向けた取り組みの強化
  • 従業員持株向け譲渡制限付株式インセンティブの導入
  • 従業員エンゲージメント調査の活用
  • ダイバーシティ推進に向けた人事制度の整備
  • グローバル人材育成に向けた研修制度の充実化

「NC2023」における株主還元の基本方針

  • ①累進配当
  • ②総還元性向の目安としては概ね50%程度

※23/3期の実績

  • 1株当たり配当金115円
  • 総還元性向47.1%