方針・基本的な考え方

稲畑産業グループにとって、サプライチェーンは生命線であり、価値を創出するための土台であります。マテリアリティでも「レジリエントな調達・供給機能を通じた価値提供」を掲げ、優先して重点的に取り組む課題として認識しています。そのため、当社グループにとってのサプライヤーの皆さまは、価値創出の大切なパートナーであり、環境・社会課題の解決にも共に取り組むことで、相互の発展につなげていくことを目指しています。

サプライチェーンCSR行動指針

共に価値を創出していくパートナーであるサプライヤーの皆さまとは、価値観を共有し、同じゴールを目指していくことが重要であると考え、「稲畑産業 サプライチェーンCSR行動指針」を定めています。サプライチェーン上のすべてのステークホルダーと協働することで、持続可能な社会の実現を目指します。

サプライチェーンCSR行動指針

稲畑産業ではサプライチェーンマネジメントにおけるCSRへの取り組みが強く求められる社会情勢を踏まえ、「稲畑産業サプライチェーンCSR行動指針」を策定しております。
当社のお取引先をはじめとするステークホルダーの皆さまにおかれましては、下記の各項目にご理解をいただくとともに、実践へのご協力をお願い申し上げます。

  • 1. 人権を尊重し、差別・ハラスメント・虐待・児童労働などの非人道的な扱いを行わない。
  • 2. 従業員の団結権及び団体交渉権を尊重する。
  • 3. 従業員に対する強制労働・不当な低賃金労働を防止する。
  • 4. 従業員に対して安全、衛生的でかつ健康的な労働環境を提供し、災害・事故などの緊急時の対応策を準備し、周知に努める。
  • 5. 生物多様性及び地球温暖化への対応等をとおして、環境問題の未然防止に努める。
  • 6. 内外の法令を遵守し、公正な取引を維持し、腐敗防止に努める。
  • 7. 商品やサービスの品質・安全性の維持・確保に努める。
  • 8. 情報セキュリティの観点から、情報資産の保護に努める。
  • 9. 上記に関する情報の適時・適切な開示を行う。

取引先スクリーニングシステム

サプライチェーンマネジメントおよび人権デューデリジェンスの一環として、コンプライアンスや環境・社会面のリスクに対して、取引先をスクリーニングするシステムを2023年度から導入しました。
既存・新規の取引先をこのシステムでスクリーニング・モニタリングすることにより、サプライチェーン上のリスクを広くチェックしていきます。問題のある取引先については、個別にコミュニケーションをしていくことも検討しています。
また、今後はシステムでのスクリーニング・モニタリングだけではなく、サプライヤーへの直接的なアンケート調査なども検討していきます。

ビジネスパートナーとの連携(倉庫管理)

当社グループにとって、トレーディングを補完する機能のひとつである物流機能は、付加価値を提供するのになくてはならない大事な機能です。重要なビジネスパートナーである外部の倉庫会社と連携して、高品質な在庫サービスを提供できるよう、倉庫管理を行っています。
当社グループの契約倉庫は、保管環境面(建屋の堅牢性やセキュリティ体制、適切な区分等)やIT対応面、BCP対応面、倉庫管理面(安全管理、入出庫管理等)などから定期的な評価を行っています。
また、原則として少なくとも年一回は実地棚卸を行っています。営業本部の担当者が実際に倉庫に赴き、在庫数量の確認だけでなく、在庫状況や管理状況の確認、在庫に必要な許認可の確認などを行っています。さらに、管理部門の担当者を立会人として同行させ、実地棚卸が実施規則や実施マニュアルに基づいて適切に行われているかどうかを確認しています。

商品・仕入先管理(食品事業)

生活産業セグメントの食品事業では消費者の安全や健康に直接関わるため、商品管理および仕入先管理について高いレベルが要求されます。
「顔の見える生産者から顔の見える消費者へ」をモットーに、安全・安心な農産物や水産物を世界中から提供するため、厳正な商品・仕入先管理を行っています。仕入先と取引を開始するにあたっては、ヒアリングや監査等で国際認証の有無をはじめとする基本調査を行い、また、海外から食品を輸入する際には、使用農薬や残留農薬が日本の基準に合致していることを確認することなどを、仕入業務フローのなかで規定しています。