方針・基本的な考え方

グローバルに事業を展開する稲畑産業グループにとって、気候変動・資源循環・生物多様性などの地球環境に関する問題への対応は、経営における最重要課題のひとつであると認識しています。「サステナビリティ行動指針」においても、項目のひとつとして「4. 地球環境の保全」を掲げています。
豊かな地球を次世代に引き継ぐため、環境関連法令の遵守のみならず、事業活動における環境負荷の低減や、持続可能な社会の実現に貢献する環境ビジネスの提供を行っていきます。そのために、環境マネジメントシステムの継続的な改善にも取り組んでいきます。
また、当社グループの環境に対する方針や基本的な考え方をサプライヤーの皆さまにご理解いただくとともに、各社において環境管理や環境規制への対応、グリーン調達の推進などに努めていただくよう、購買基本契約書に「環境保全」の条項を盛り込んでいます。

稲畑産業グループ サステナビリティ行動指針

4. 地球環境の保全

気候変動をはじめとした地球環境問題に真摯に向き合い、その解決に向けて地球環境の保全に努めます。あらゆる事業活動において地球環境への影響を想定し、GHG排出量削減をはじめとする気候変動の緩和・適応、エネルギー管理、資源有効利用・廃棄物削減、汚染防止、化学物質管理、水資源の保全、生物多様性の保全などの活動に取り組みます。
活動にあたっては、環境マネジメントシステムを運用し、環境関連の諸法令・規制の遵守、事業活動に伴う環境への影響の適切な把握・管理に努めます。
また、顧客や社会の環境負荷を低減する課題解決型の商材販売など、事業を通じて環境保全に貢献します。

体制(ガバナンス)

当社グループでは、気候変動等の環境課題を含むサステナビリティ課題について、全社的に取り組みをより推進するため、2021年10月に代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置しました。
同委員会は、副委員長をサステナビリティ担当の代表取締役専務執行役員が務めるとともに、4つのセグメントをそれぞれ担当する取締役2名及び執行役員1名と主な管理部門長6名が委員を務めています。また、オブザーバーとして社外取締役7名、非業務執行の取締役1名、監査等特命役員1名も同委員会に参加し、必要な意見を述べています。全取締役がサステナビリティ委員会に参加することで、同委員会を通して、取締役会としての監督機能を果たしています。
同委員会は最低年1回開催(必要に応じて臨時開催)することを原則とし、当社グループのサステナビリティに関する方針及び施策の策定・承認・モニタリングを実施しています。

取締役会においては、取締役会規程にてサステナビリティを巡る諸課題(気候変動などの地球環境問題への配慮、人権の尊重、従業員の健康・労働環境への配慮や公正・適切な処遇、取引先との公正・適正な取引、自然災害等への危機管理など)への取り組み状況を、最低年1回、担当取締役から取締役会へ報告することが定められています。加えて、四半期ごとに業務執行報告書を通じて、サステナビリティに関する取り組み状況を取締役会に報告しており、サステナビリティ委員会で審議・検討された内容も上記プロセスの中で報告が行われ、取締役会の監督を受けています。

また、当社ではサステナビリティへの対応は当社の重要な経営課題と認識していることから、取締役の業績連動報酬*の指標として「複数の外部評価機関(FTSE Russell及びMSCI)によるESGスコア」を設定して、取締役会のサステナビリティ課題への実効性を高めております。

取締役会及びサステナビリティ委員会で決議された事項は、専任組織であるサステナビリティ推進部と主な管理部門員からなるサステナビリティ委員会事務局とが連携しながら実行・運営し、グループ全体のサステナビリティ活動を推進しています。また、サステナビリティ推進部では同委員会の有効な議論のために、各営業本部員及び主な管理部門員をメンバーとするサステナビリティ推進委員とともに、全社のサステナビリティに関連する情報を取りまとめ、提供しています。

  • *役職固定報酬をベースに税金等調整前当期純利益(一部の政策保有株式の売却益を除く。)、資本収益性(ROICとROE)、株価、複数の外部評価機関(FTSE Russell及びMSCI)によるESGスコアの各水準に応じた係数をかけて業績連動 報酬を計算しております。

環境マネジメントシステム

稲畑産業は、ISO14001に基づく環境マネジメントシステムを構築しています。
社長を最高責任者とし、総務広報室長が管理責任者、総務広報室が事務局という管理体制を構築しています。また、営業本部および管理本部の部門長がISO実務責任者となり、全部門からISOリーダーを任命するという実務体制も構築しています。
内部監査については、ISO事務局員が監査チームを構成し、ISO内部監査実施要領に従い、実施しています。監査対象部署はサンプリング方式で選定し、3年で全部署を監査することを基本としています。
外部監査については、毎年、LRQAリミテッドによる認証審査を受けています。直近では、2023年12月に維持審査を受審し、認証維持となりました。最新の登録証は2026年3月31日まで有効です。
環境マネジメントシステムによる年間の活動結果は、トップマネジメントレビューとして社長に報告されるとともに、ISO認証の管理担当部門の担当取締役の業務執行報告に含めることを取締役会規程で定め、取締役会で報告され、取締役会の監督を受けています。
また、国内外の連結子会社においてもISO14001の認証を取得しています。取得状況については、サステナビリティデータをご覧ください。

ISO14001(2020年4月1日更新)
登録証(2023年4月1日更新)

環境教育

全社で環境保全活動を推進していくためには、役員および従業員の環境に対する理解と参画が重要であり、各職場や階層で様々な環境教育を行い、環境意識の向上に努めています。

実施日
(期間)
研修名 内容 講師 対象 参加人数
2022年5月 サステナビリティ講義
  • 世界を取り巻く状況について(気候変動、プラスチック廃棄物問題、生物多様性、人権等)
  • 国際的な動向について(SDGs、パリ協定、PRI、サステナブルファイナンス等)
  • サステナビリティ経営について
住友化学株式会社
常務執行役員
大野 顕司氏
(研修実施時、当社取締役)
取締役(社内外)
監査役(社内外)
本部長・室長
サステナビリティ推進委員
サステナビリティ委員会事務局
44名
2022年8月 合同研修会
「サステナビリティの基礎①」
  • サステナビリティとは
  • サステナビリティが注目される背景
  • サステナビリティの変遷
  • サステナビリティ関連用語の説明
サステナビリティ推進部 役員、従業員、他社からの出向者、派遣社員 667名
合同研修会
「サステナビリティの基礎②」
  • 当社グループのサステナビリティの取り組みについて(推進体制、基本方針・行動指針、人権方針、国連GCへの参加、2050年カーボンニュートラル宣言、マテリアリティの特定)
  • 今後の取り組みについて
サステナビリティ推進部 役員、従業員、他社からの出向者、派遣社員 658名
2023年8月 合同研修会
「稲畑産業グループのサステナビリティ」
  • 社会動向と当社グループのサステナビリティの取り組みについて(気候変動(スコープ1,2,3、TCFD)、環境負荷低減商材、人権デューデリジェンス)
  • 社外からの評価について
サステナビリティ推進部 役員、従業員、他社からの出向者、派遣社員 628名