稲畑の価値
真の情報は、
ググれない。
生きた情報を、
手に入れろ!
商社ではたらく者にとっての一番の武器『情報』。
ここでは、情報をどのように手に入れるのか、
商人のタイプ分けから、
実際の事例までも交えて解説していく。
商社で働く者にとって一番の武器、それは『情報』。 あらゆるネットワークから情報を手に入れ、つなぎ、ビジネスを生み出すのが商社の仕事。 情報には2種類あって、生まれてから日が経っている情報と、生まれたばかりの情報。 前者は、本やネットに載っており、知識に近い。 一方後者は、知っている人もごくわずかに限られる。 商社の仕事は、後者の生きた情報をいかに手に入れ、実際の状況と照らし合わせ、どんな商売に結びつけられるのかを考えること。 では、生きた情報はどこから手に入れるのか? それは、人。 メーカー・顧客・仕入先・銀行・業界の専門家から弁護士・会計士…コンタクト可能なら、どこへでも飛び込んでいく。 けど、そう簡単に生きている情報は手に入らない。 この人なら、と思ってもらえる深い関係性があって、初めて手に入れることができる。 様々な人と信頼関係をつくることこそが、キモなのだ。
約140年の歴史!?
IK商人の特殊能力
其ノ一『暗算力』
為替・単価の計算は、電卓いらず。 数学が苦手であっても、為替の計算はお手のもの。
其ノ二『記憶力』
お客様の家族構成から食べ物の好き嫌い、趣味嗜好まで。 会食やお客様への手土産選定には、欠かせないスキル。
其ノ三『瞬発力』
メールの返事と飲み会へ行く速度は同じくらい、即断・即行。 ちなみに、ランチを食べる速度も速いらしい。
信頼あるところに、
情報は集まる。
情報を集めるには、何よりも信頼が大事。
でも、その築き方には人それぞれ個性があるようだ。
君は、どのタイプの商人だろう?
一歩一歩、積み重ね。
正直が一番、堅実商人
まずは、自分を飾らずに素直な姿勢で相手に接する。 どんなに小さな依頼でも誠実に対応する。 信頼を積み重ねることで、自然と情報は入ってくるはずだ。
まるでカメレオン。
キャラを演じ分ける役者商人
相手に一番合うキャラクターを瞬時に見極め、演じきることで、関係を築きやすくする。 相手に自分をどう見せるのかを考えぬく、頭脳派タイプ。
ギブアンドテイク
が原則、トレーダー商人
情報を得るには、まずは自分の情報を渡すことから。ただ、どこまでなら言っていい情報かを見極めるのも、商人のセンスが問われるところ。
気付いたら
話してる!?引き出し商人
相手と議論できる知識を持ったうえで、関心の高い話題を振り、会話に緩急をつけ、感情表現を交える。 質問せずとも、気付けば相手が話している場をつくれれば、もう情報収集のプロだ。
ビジネスは点ではなく、線、そして面。
もっと成形コストを抑えられる原料が
あるといいんだけど…
そういえば、2ヶ月前に
別の会社とA原料の話をしたな…
あの原料なら、
成形コストを抑えられるかもしれない!

これは、実際に成形サイクルを短くできる原料の提案をし、ヒットした事例。 海外も含めあらゆるネットワークを駆使することで最終的に2〜3ヶ月で原料の変更に成功した。 この業界では原料の変更はほとんどなく、あってもお客様の品質承認を得るのに3年程かかるのが当然なので、これはかなり異例の事態だった。 何気ない会話にも、お客様のニーズは眠っている。 普段からどれだけアンテナを張って、細かなヒントを蓄積しておけるかがとても重要なのだ。 稲畑では国内外問わずチームに有益な情報は常に共有し、アップデートしているため、ここぞという時に瞬発力を発揮し、つながった点を線に、そして面へと拡大していける。
世界のどこでも、
お客様専門商社。
お客様のためにどんな価値を提供できるか。
それを考え抜くのは、世界共通。
世界のあちこちで、価値提供する商人たちの
はたらきを見ていこう。
「稲畑さん、手伝って!」
に応える、何でも屋さん。
インドネシアの主なお客様の中に日系自動車関連企業がある。 稲畑は、そこに原料を納めるとともに、インドネシア進出のサポートもおこなっている。 インドネシアはいままさに内需の高まりが強く、その需要に応えてビジネスチャンスをつかもうと進出する企業が多い。 しかし、企業の海外進出は簡単なことではない。 そんなときこそ、何をサポートすべきか熟知している稲畑の出番である。 工場用地探しから、果ては現地での採用面接まで。 まさに現地の何でも屋さんだ。

お客様の内部から、
徹底的にコミットする。
北東アジアでの稲畑の働きは、数ある海外拠点の中でもちょっと特殊。 というのも、このエリアに23ある拠点の中で売上を担っているのは上海・広州・香港などの数ヶ所だけ。 他の拠点は主にお客様の社内や近くで、営業サポートや納期管理などの営業フォローをおこなう事務所だ。 それも、現地のパートナーとしてこれほど頼もしい相手はいない、とお客様が判断してくれたから。 何かあればすぐに駆けつける、スピード感も含めた稲畑への信頼あってこそ生まれたスタイルだ。
グローバル企業への
架け橋となる、
ビッグマーケット。
海外、特に欧州では、いわゆる日本の「商社」という考え方がないため、商社の「何でもできる」というメリットをわかってもらいにくい。 そのため、ビジネスのハードルがとても高い地域でもある。 だからこそ稲畑は、専門的な技術力を持つ人員を配置し、欧州で影響力のある企業を積極的にサポートしている。 欧州のキープレイヤーたちと関係を築くことで、情報を手に入れ、他の市場とのつながりも生まれてくるからだ。 難しい市場であっても、欧州は商社として外せない大規模市場。 ここで競り勝つことでグローバル企業としての価値をより高めていく狙いがある。



はみだしコラム その3どこにいても、
オール稲畑。
部署や場所に関係なく「オール稲畑」で協働していくのが、稲畑の大きな強み。 顧客の信頼をグローバルで勝ち得るポイントは、一体なんなのだろう?
学生からの質問でよくあるのが「海外と日本で働き方にちがいはありますか?」というもの。これに対する稲畑の答えは「NO」。 もちろん、生活環境や仕事内容という面でちがいはある。 けれども、海外も日本もビジネスをつくるときには、互いの情報を共有し合い、一体となって顧客の信頼を勝ち得ていくという意味でちがいはないのだ。
ここで言う情報共有とは、単に同じ情報を保有しているという意味ではない。 常に細かく情報をキャッチボールし合うことで、単なる情報をどんな商売に組み込んでいけるのかまで一体となって考え、膨らませていく、ということである。
日本で取引がないお客様に対して
取引先の海外拠点から日本の本社に依頼して、日本側のビジネス提案につなげていく突破口としての役割も持つ。
材料の決定権が日本にある場合
海外の工場に材料を持っていき、実際に試したうえで使い心地などの情報をお客様にすぐに共有する。
こういった協働をおこなううえで一番大事なことは、部署や場所に関係なく、社員全員が稲畑産業という視点からビジネスを見ることだ。 もし誰かが「うちの部署だけ利益を上げてやろう」と考えていたら、このような進め方はできないだろう。 働く場所にこだわらず、オール稲畑という意識を持つ。 これが、顧客の信頼をグローバルで勝ち得る大きなカギとなってくるのだ。