稲畑産業株式会社 社内報「いなほ」215号
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「大阪企業家名言集」(左は表紙)は中断。廣田さんは「この外的要因が『モノ』から『ソフト』中心の発想に転換する良いきっかけとなった」と振り返ります。検討を重ねた結果、ミュージアムの目的は企業家に共通する高い「志」、時代の変化をいち早く察知する「先見性」、果敢に「挑戦」すること、「創意工夫」と「自立自助」の気概、やり抜く「意志」を中心に「企業家精神の高揚、伝承を通じて次代を担う人材を育成すること」に決まりました。設立以来のべ24万人以上が来館したミュージアム。昨年、記録的視聴率を達成したNHKの朝の連続テレビ小説「あさが来た」に大阪商工会議所初代会頭の五代友厚氏をモデルとする人物が登場しました。「普段はビジネスマンや学生が中心ですが、『イケメン』実業家の素顔を一目見ようと、主婦という今までにない層の見学者が増えました」(廣田さん)。来館者の約1割は中国や韓国など海外から。中でも経済成長の続くタイ、ベトナム、シンガポールなどのASEAN諸国からの来館者が3年前の約1・5倍になりました。日本がいかに発展したのかを熱心に学んでいくそうです。数々の偉業を成し遂げた企業家にはどのような苦労があったのか?彼らを奮い立たせたものは何だったのか?ぜひ一度、企業家ミュージアムで聞いて、見て、パワーを感じてみてください。必ず何か新たな発見があるはずです。(総務広報室今田翔子)2001年6月5日設立。初代館長は三洋電機元社長の井植敏氏、2代目現館長は大阪大学名誉教授、宮本又郎氏。105人の企業家の功績や背景をパネルで展示。企業家のデータベースやインタビュー映像、社史・伝記約9千冊を所蔵。人材開発事業として見学研修会や小中高校向け授業も行う。学術研究を行う「企業家研究フォーラム」事務局を運営。堺筋線堺筋本町駅より徒歩5分。大阪企業家ミュージアム 詳しくは大阪企業家ミュージアムHPへhttp://www.kigyoka.jp/東南アジア諸国からの来館者が増加稲畑産業の創業者、稲畑勝太郎氏は大正15年12月、仏領インドシナ訪問、 第10回国際労働会議(於 ジュネーブ)への出席、さらに日本経済の海外展開の可能性を探るべく約8ヶ月間の外遊に出発しました。後に外遊中の手記を「欧亜に使(つかい)して」として出版、天皇皇后両陛下にも献上されました。閲覧をご希望の方は広報部まで!17「覚めよ、有為のわが青年よ」 大阪企業家ミュージアムでは、展示企業家のうち70人の名言を集めた「大阪企業家名言集」が販売されています。この中に、「欧亜に使して」という書籍に書かれている創業者の言葉が掲載されています。 この言葉は、創業者が昭和2年にベトナムのフエを訪れた時、かつてこの地で一大勢力を誇っていたほど覇気のあった日本人が、鎖国政策によってその勢いを失ってしまったことを嘆き、青年達に覚醒と奮起を呼びかけたものです(「欧亜に使して」より)。つかい稲畑勝太郎著 『欧亜に使して』 つかい

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